筆者は交通事故の取材を通して、子どもが被害に遭う悲しい事故を数多く見てきました。特に、自分の車に乗せていた我が子が、大けがを負ったり、死亡したりするという事故が起こったときの親の悲しみ、自責の念は決して消えるものではなく、大変過酷です。

 だからこそ、子どもを車に乗せるということを甘く考えず、正しい知識を持ち、常に月齢や体型に応じた細やかな備えをすることが必要だと痛感しています。子どもは日々成長していくのです。

再認識されたチャイルドシートの重要性

 さて、そんな中、以下のニュースが発信され、注目を集めています。

(外部リンク)<独自>JAF、チャイルドシート推奨基準を150センチ未満に引き上げへ 事故多発受け(産経ニュース:2024.8.21)

 記事から一部抜粋します。

『チャイルドシートを使わず、シートベルトをした子供が死傷する事故の増加を受け、日本自動車連盟(JAF)がチャイルドシートの使用を推奨する基準を見直すことが21日、わかった。これまでチャイルドシートの使用は身長140センチ未満を推奨していたが、安全性を重視し、来年に150センチ未満に引き上げる』

 これは大変重要な見直しだと思います。

 ちなみに、自動車工業会では、すでに『身長150cmになるまではジュニアシートの使用が必要である』と提言していました。

(外部リンク)チャイルドシート啓発 | JAMA - 一般社団法人日本自動車工業会

 考えてみれば、ジェットコースターのような遊園地のアトラクションでも、子どもの年齢ではなく、身長で制限しているところがほとんどです。

 たとえば、東京ディズニーランドの人気アトラクション「ビッグサンダー・マウンテン」では、乗車可能な子どもを、年齢ではなく、身長(102センチ以上)で規制しています。車はアトラクションのようにレールの上を走るわけではないので、より厳格に身長制限を設けるべきだとかねてから感じていました。