7.「戦争できない現実」を隠すための威嚇
北朝鮮はこれまで、核・ミサイルを継続して開発して成功させてきた。
併せて通常兵器の近代化も進めようとしていたが、通常兵器の開発は滞っているようだ。
軍隊の中で、空挺部隊兵が最も精鋭でなければならないし、装備も近代化していなければならないはずである。
だが、北朝鮮が公開する空挺作戦の写真を専門的に見れば、通常兵器と個人装備品の開発が著しく滞っていることが分かる。
北朝鮮は、兵器と弾薬をロシアに提供している。
旧式のロシア兵器のコピー兵器は、ウクライナ戦争で見られるように、米欧の兵器にボコボコにやられている。
北朝鮮は、ウクライナ戦争の教訓を踏まえれば、今、戦争ができる戦力ではない。
北朝鮮は、通常兵器を近代化し、弾薬を大量に製造し、備蓄しなければならないと考えているだろう。それらが完成するには、ウクライナ戦争が終了し、ロシアの協力を得ながら時間をかけて準備するほかはない。
北朝鮮が、近い将来に南侵するのではないかと感じさせるほど威嚇しているのは「北朝鮮が今、韓国と戦争することはできない」という現実を隠そうとする狙いがあるからだろう。
今、韓国が軍事的挑発をしてくれば、北朝鮮は対応できないのが現状だ。
そのため、北朝鮮が韓国よりも先に軍事的威嚇を行うことによって、北朝鮮軍の強さを強調し、韓国軍の軍事的挑発の動きを抑止しているのだ。