同様に、今回も胡さんが死去した翌日の27日、蘇州市公安局が、早くも「公示」を出した。その全文は、以下の通りだ。

市民の模範に

<(習近平総書記が唱える)社会主義の核心価値観を深く実践し、社会の正気を大いに発揚し、「見義勇為」(勇敢な正義の行為=孔子の言葉)の精神を提唱したことにより、『江蘇省見義勇為奨励保護人員条例』『蘇州市見義勇為称号評定実施弁法』の関係規定をもとに、蘇州高新区管理委員会からの申告があった。市の見義勇為称号評定工作小組で審議し、市政府が市民である胡友平に、「蘇州市見義勇為模範」の称号を、死後に授けることを提案申請した。

 公平・公開・公正の原則に基づき、胡友平の見義勇為の事柄の進行について公示する。公示期間は6月27日から7月1日までで、社会各界と多くの人々の監督を受けつける。もしも異議があれば、この間に蘇州市見義勇為基金会に来訪するか、電話、投函にて反映させてほしい。連絡電話:○○○○、住所:○○○○>

 以上である。ちなみに前述の李文亮医師は、遺言で、死後の大仰な扱いを固辞した。遺族の夫人も同様だった。そこには、当局の宣伝煽動に利用されることへの反感もあったのではないか。