単一通貨ユーロを介して伝染

 2つ目の大きな問題は、フランスが欧州の単一通貨を使う20カ国のうちの一つであることだ。

 フランス国債のリスクプレミアムが急騰したら、何が起きるか考えてみるといい。

 EUには現在、債券購入で市場に介入するメカニズムが存在する。

 だが、もし危機を引き起こした原因がフランスによる財源の手当てがない歳出の誓いだったとしたら、EUやドイツ政府はそのような対策に同意するだろうか。

 ドイツ政府は現在、自国の国家予算に数十億ドル相当の節約を見つけようと腐心している。なぜ、そのドイツが浪費家のフランスのための救済策に賛同するだろうか。

 フランスの極右と極左は甚だしいEU懐疑派でもあり、すでにEUからの指令に激しく抗議し、ドイツへの敵意を表明している。

 RNの選挙綱領は、フランスとドイツの世界観の「顕著で折り合いのつかない乖離」に触れている。

 RNの首相候補になる可能性が高いジョルダン・バルデラは最近、EU予算に対するフランスの拠出金を年間20億~30億ユーロ削減する考えを表明した。