「授業ができない」ケースも

 最も新しい公的な全国調査は、文科省による2021年5月時点のものです(公表は2022年)。それによると、小学校は794校で979人、中学校は556校で722人の教員の欠員が生じていました。小中合わせると、1701人の教員不足です。

 高校や特別支援学級を加えると、2063人の不足。全国平均では、20校に1校の割合で教員の定員割れが起きていました。

 教員不足が進んだ結果、学級担任を正教員だけで担うことは不可能になっています。同じ調査によると、小学校では11.49%、特別支援学級では23.69%の学級担任が身分の不安定な非正規雇用でした。

 教員不足の理由としては、「産休・育休取得者が見込みより増加」が最も多く、以下、「特別支援学級が見込みより増加」「病休職者数が見込みより増加」と続きました。

 解消を目指しているNPO法人「School Voice Project」が2023年4月に実施したサンプリング調査によると、教員不足が生じていたのは公立小学校で20.5%、公立中学校で25.4%に達しています。

 教員不足に直面した学校は「管理職が担任を兼務」「特別支援学級の学級数を減らしている」などの方法で急場をしのいでいます。しかし、免許を保有する教員を確保できずに「授業ができない」ケースも発生。公立小学校で6.7%、公立中学校で13.1%に上りました。

 義務教育過程で授業がストップするわけですから、教員不足の影響は深刻です。

 この団体には、学校現場から次のような悲痛な声がたくさん届いています。