北朝鮮によそよそしくなったロシア

 さて、ここからは「解読」である。この5月17日、北朝鮮の近くで何が行われていたか。それは、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、中国黒竜江省のハルビンを訪問していたのである。北朝鮮からハルビンまで、約800kmしか離れていない。

 この日、ハルビンでは、第8回中ロ博覧会が開かれ、プーチン大統領と韓正中国国家副主席が参加。プーチン大統領は、ロシア極東地域と中国東北三省との貿易拡大を訴えたのだった。

 その前日の16日、プーチン大統領は北京で、習近平主席と43回目となる首脳会談を開催。約5時間も行動をともにし、「史上最も友好な蜜月関係」を宣言した。

5月16日には、習近平主席とプーチン大統領の非公式会談ももたれた(Sputnik/共同通信イメージズ)

 こうした状況に、金正恩委員長が「嫉妬」しているのである。

 伝え聞くところによれば、昨年9月13日に、ロシア極東アムール州のボストーチヌイ宇宙基地でロ朝首脳会談が行われた際、プーチン大統領は金正恩委員長に頭を下げた。

「何とかロシアに武器を供給してほしい。その代わり、来年(2024年)5月に大統領5選を果たしたら、真っ先に平壌を訪問したい」

昨年9月13日、ロシア極東アムール州のボストーチヌイ宇宙基地を視察し、プーチン大統領を前に満面の笑みを見せる金正恩朝鮮労働党総書記(写真:朝鮮中央通信=共同)