インフレで貯金は目減りする

 日本人では、一番多いのが「銀行」でしょう。

 2021年12月末時点、日本人全体で、実に約1037兆6000億円もの資産が「預貯金」として銀行に預けられているというデータがあります。

 銀行は、成熟した社会においては、決済機能を果たす機関としては有効です。

 けれど、近年の預金利率を見ればわかるように、資産を増やす期待はまったくできません。しかも今、世界はインフレの経済ですから、同じ金額のお金でも実質購買力はどんどん下がっています。100万円預けたとして、5年後その100万円で以前と同じ商品は買えないのです。

日経平均は3月に一時4万1000円を超えた(写真:AP/アフロ)

 つまり銀行に預けておくということは、資産を実質的に減らし、毀損していく行為なのです。それなのに、多くの人々はいまだに漫然と銀行に預けています。

「それでも銀行に置いておきますか?」と、皆さんにうかがいたい。日本人の多くはこうした事実を知りながらも銀行にお金を置いて、みすみす価値を下げてしまっています。お金を捨てているのも同じなのです。

 だったら、「せっかくですから、大事なお金を働かせましょう」というのが投資の考えです。