(譚 璐美:作家)
米国の中国語ネット「博訊」(2024年3月23日付)が転載したフランス国際放送テヴェサンクモンド(TV5MONDE)の報道によれば、中国政府は国内向けのチベット投資促進策として、「チベットに40万ドル(約6000万円)投資すれば、子弟の大学受験の『特別合格枠』をあげる」という新たな政策を発表した。
中国国内で最高の経済成長率を誇るチベット
中国政府は2000年、チベット、新疆、内モンゴルなど、経済発展から取り残された内陸部の西部地区を経済発展させるため、「西部大開発」計画を決定した。スローガンは、「西電東送」、「南水北調」、「西気東輸」、「青蔵鉄道」の四大プロジェクト、つまり、電力開発、ダム建設、天然ガスパイプライン敷設、鉄道建設の4つの建設計画である。
これを主体として、外資企業へ向けて広く投資を呼びかけた。そして3年間は所得税率を15%に削減し、輸出企業には税率10%とするなど、数々の税制優遇策を打ち出した。3000万米ドル以内の投資なら迅速かつ単独で許可するとも規定した。
さらに2020年の「第13次5カ年計画(2016〜2020年)」では、チベット自治区に総額3136億元(約6兆5700億円)を投じて、電力や鉄道、空港などの重点プロジェクトを建設した。