3月15日、ウラジオストクの投票所で大統領選の投票をする女性(写真:AP/アフロ)

(舛添 要一:国際政治学者)

 ロシアの大統領選挙は、3月15日に投票が始まった。3月17日に終了する。プーチン大統領の5選が決まるのは確実である。ウクライナ戦争は、ウクライナ側の反転攻勢が頓挫している。今後の展開を読む。

5選への盤石な体制

 大統領選挙には、プーチンの他に、ウラジスラフ・ダワンコフ下院副議長(40歳、政党は「新しい人々」)、共産党のニコライ・ハリトノフ(75歳)、極右「自由民主党」のレオニード・スルツキー(56歳)の3人が立候補しているが、いずれもウクライナ侵攻には賛成で、いわば「体制内野党」である。得票も10%以下の数パーセントと予想されている。

 先に刑務所で死亡したナワリヌイは言うまでもなく、リベラル派のボリス・ナデジディン元下院議員のように戦争やプーチン政権に反対する候補は、選管が立候補を認めなかった。候補者登録には10万人以上の署名が必要だが、選管は署名の不備が理由だという。

 前回の2018年の大統領選で、プーチンは76.7%(投票率67.5%)を得票しており、今回はそれを上回る80%以上の得票を狙っている。ナデジディンは10%以上の票を得ると予想されたので、立候補を認めなかったのである。

 ソ連時代のスターリンは1924年から1953年まで29年間の長期政権を維持した。プーチンは、首相時代を含めると24年間権力の座にあり、今回当選して6年の任期を全うすれば、スターリン時代を超える長期政権となる。