2月29日、年次教書演説を行うプーチン大統領(写真:AP/アフロ)

(国際ジャーナリスト・木村正人)

軍事衝突の初期段階で戦術核兵器を使用する演習

[ロンドン発]ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は2月29日の年次教書演説で、西側はロシアの戦略的敗北を望んでおり、ロシアは核兵器を含む自国防衛の準備を整えなければならないと述べた。西側はナチスドイツやフランスのナポレオンといった過去の侵略者の失敗に学ぶべきだと警告した。

「西側の思惑はすべて核兵器を使用する紛争、ひいては文明の滅亡という現実的な脅威を生み出す」

 プーチンは原子力推進型の巡航ミサイル「ブレヴェストニク」や水中ドローン「ポセイドン」、10発以上の核弾頭を搭載できる大陸間弾道ミサイル「サルマート」(射程1万1000キロメートル超)についても語った。

ロシアの核魚雷「ポセイドン」 (提供:Press and Information Office of the Defence Ministry of the Russian Federation/TASS/アフロ)

 計ったようなタイミングで、プーチンが世界の主要国と軍事衝突した場合を想定して初期段階で戦術核兵器を使用する演習を行っていたことが英紙フィナンシャル・タイムズ(2月28日付)が入手したロシア軍の機密文書で明らかにされた。それによると、戦術核兵器使用の閾値はロシアの公式ドクトリンより低い。