旧ソ連が開発したSAM(地対空ミサイル)システム「S-200」(資料写真、George Chernilevsky, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons)

(数多 久遠:小説家・軍事評論家、元幹部自衛官)

 2月24日未明、1月15日に続き、ロシアの早期警戒管制機「A-50」がウクライナ軍によって撃墜されました。

 前回1月の撃墜はアゾフ海上空でしたが、今回は陸地上空に残骸が落下しているため、かなり正確に撃墜位置が判明しています(下のツイートの地図を参照)。また、撃墜時の映像も撮影されています。

 前回、ウクライナ軍による攻撃手段は謎とされていました。しかし今回は材料が多いため、ウクライナ紙「ウクラインシカ・プラウダ」が報じたように、旧ソ連が開発した旧式ミサイル「S-200」が使用されたのではないかとの推論が出ています。また、ウクライナ情報総局の関係者も、S-200による撃墜だったと発言しています(ただし、情報総局は情報工作も行うので要注意です)。

 以下では、判明した事実から、ウクライナ軍によるA-50攻撃手段を推測してみたいと思います。

ロシアによる軍事侵攻が始まって2年となった2024年2月24日、弾薬が不足し外国からの援助が危ぶまれる中、キエフを訪れた西側諸国首脳陣と会談し記者会見するウクライナのゼレンスキー大統領(資料写真、写真:AP/アフロ)