大暴落で独立系資産運用会社の真価が見直される?

──この先、株式市場は大暴落するというお話をされていますが、そうした状況で規模が小さい独立系資産運用会社は生き残れるのでしょうか。

澤上:むしろチャンスです。米国の大手ファンドには買収を繰り返して1000兆円を超える規模の資産を持っているところもありますが、カネ余り相場全体に張っているので、いざマーケットが大崩れを始めると、落ち方はかなりきついと思います。先ほど、カネ余りの状況でインデックス型のファンドに巨額の資金が流れ込んできたと話しましたが、相場全体が落ちるのと同じようにインデックス型のファンドも損失を被ります。

 しかも、最近の運用担当者は、こういう極端な相場の下落を経験していません。乗り切れないところも出てきますよ。

中野:潰れる資産運用会社も出てくるでしょうね。

澤上:だけど、私たちのファンドはそうした世界の金融マーケットの暴落といった状況の中で、浮いているといった状況に持っていく自信はあります。その時はもう、「炭坑のカナリア」ではなく、目に見えて存在価値がわかってもらえると思いますよ。

大暴落をどう乗り切るか、意見を交わす中野氏(左)と澤上氏(右)(写真:村田和聡)

──さわかみ投信も、なかのアセットマネジメントも、インデックス型のファンドではなく、個別銘柄を吟味して投資先を決めるアクティブ型のファンドです。しかし、過去の実績を見ると、アクティブ型よりインデックス型の方が確実にパフォーマンスがいい、というのが定説です。

澤上:大暴落がくれば、私たちも若干、下げを食らうでしょうが、他と比べては浮いているはずです。なぜなら、投資先であるまともな会社の経営は、一時的にいったん影響を受けても必ず復活しますから。

 過剰流動性で膨れ上がっているのは、ある意味で虚構の部分。狂ったマーケットで安易にカネを借りてビジネスを膨らませている会社は倒れるでしょうが、そうでない、実体経済をベースにしっかり経営をしている会社は見直されるでしょう。