高級寿司店でのパパ活ラウンジ客のポストはSNSを大いに騒がせた(写真:アフロ)

(山本一郎:財団法人情報法制研究所 事務局次長・上席研究員)

 先週、X(旧Twitter)上をおおいに騒がせ、関連ポストを合わせると、3億PVを超える億バズを記録して大炎上した南麻布というか西麻布の高級寿司屋問題。

 みんなめっちゃ怒ったり叫んだりしてて、最高に面白かったんですよね。

 もともとは、同伴でやってきた女性が二日酔いで、ワインが目の前に出てきて気分を悪くしたところ、寿司屋店主の板前に殴りかかられそうになった、という写真を投稿して大爆発にいたったのが本件のきっかけでした。

 しかし、度重なる炎上でトレーニングされたネット社会も簡単には乗せられません。この手の女性の発言を鵜呑みにすることなく、確認のため常連ほかが寿司屋に連絡。翌日さっそく寿司屋に予約を取って店主に事実を確かめる猛者も現れました。

 どうやら、この同伴女性は男性と一緒になって店内で他の客の動画を撮るなど暴れていたところ、制止しようとした店主があたかも同伴女性に殴りかかろうとしたかのような一枚の画像をうまく抜き出してX上に掲載し、億バズになったようだという状況が判明しました。

 まあ……常連が確認した内容が事実であれば、これはシャレにならないガチもんの「事件」であります。

 スシローで醤油差しを舐めて、6700万円という空前の損害賠償を求められた少年(のちにスロー側と和解)のような一件もありましたが、程度問題としてはこっちのほうが重大です。

 単に子どもがいたずらで醤油差し舐めたよってレベルではなく、架空の事件をでっち上げ、店主の板前に殴られそうになったという中傷までやったことになりますから。

 どうやら高級寿司屋の店主の側が被害相談を麻布署にし、民事でも弁護士を立てて同伴女性の本人特定を進めるということのようなので、いい感じですごい高い賠償額を請求することになるのでありましょうか。

 続報を期待したいと思いますが、このお寿司屋さんのオーナー筋もまたまあいろいろある元飲食系とされることを考えれば、事件を起こした女性の連れの男性と内々で握って何も出てこない、なんてこともあるかもしれません。大人の世界はアレですね。