機会と環境は金で買う時代

 中学受験が佳境を迎えつつある。中学受験熱は相変わらず高く、東京23区における私立中学への進学率は25%。文京区に至っては49.5%と二人に一人が私立中学に進学する計算だ。親の所得や通学のしやすさなどが影響しているとみられる。

 いい大学を出たからと言って、その後の将来が約束されているわけではないが、学歴信仰はいまだ根強く、高偏差値の中学や高校に子どもを入れ、名の通った大学に通わせたいと考える親は少なくない。小学生の子どもに高い負荷をかけたとしても、今が「その時」ということだろう。

 だが、今の小学6年生が大人になる時にどんな世の中になっているかは誰にも分からない。しかも、子どもたちの才能が花開くのはまだまだ先。その前に燃え尽きたとすれば、その子にとっても社会にとっても不幸な話だ。(作画:田楽庵、文:蛙)

【そんなあなたに♪JBpressのオススメコンテンツ】
教育・受験指導専門家のにしむら先生が語る、中学受験、最後の最後のポイント(JBpress)
私立高校無償化で中学受験が激化!浮いた学費は学習塾へ、「親ガチャ」を助長(JBpress)
「親ガチャ」を哲学的に考える、ハズレを引いたら自暴自棄になるしかないのか(JBpress)
中学受験「課金ゲーム」で年収1000万円でも破綻寸前、成績優秀でも実家頼み(JBpress)
公教育が崩壊寸前!教員採用倍率は過去最低「受かってはいけない人」も先生に(JBpress_podcast)
子どもの発達障害が増えている?個性を摘む早期診断・治療は今すぐやめるべき(JBpress_podcast)
100人の副業おじさんを取材して気づいた、お金だけでなかった副業の意味(JBpress_podcast)

【田楽庵】
フリーランスイラストレーター/漫画家。
東京都生まれ。武蔵野美術大学造形学部日本画学科卒業。別名義で週刊少年ジャンプ+(集英社)にて新人賞受賞・掲載歴あり。

【蛙】
編集者/ジャーナリスト
東京都生まれ。大手メディアで記者や編集者を歴任した後、独立。