写真・渡部陽一/スーダン

 2022年に始まったウクライナ戦争、そして2023年にはシリア、スーダン、イスラエル、パレスチナなど世界中で「戦場」が生まれている。

 そんな「戦場」の伝え方は、この四半世紀の間に大きく変わったと、戦場カメラマンの渡部陽一は言う。

 自身が撮ってきた「戦場の写真」をベースに、争いの背景、現実とその地域の魅力について解説するコンテンツ、渡部陽一【1000枚の「戦場」】より、その変化について紹介する。

文=シンクロナス編集部

 戦場カメラマンの渡部陽一です。

 約30年間の戦場カメラマンの取材の中で、どれくらい僕自身が回ってきたのか。今、地球上には、様々な判断の規格があるんですけれども、だいたい210の国、地域があります。

 もちろん見方によっては198とか212となるんですけど、だいたい210前後の国や地域のつながりがあります。

 その中で、僕自身はこれまで約130少々の国や地域を回ってきました。

130カ国の国・地域を自分の足で回ってきた

 ユーラシア大陸であったり、中央アジア方面、アフリカ大陸、もちろん中東、アジア全域、ヨーロッパ方面、東欧、もちろんロシア方面のユーラシア、さらには北米大陸、南米大陸、中米、中米の横にあるカリブ海一帯の細々したたくさんの島々の国、さらにはアフリカインド洋、大西洋太平洋方面に点在するたくさんの島々、南大平洋であったり、ポリネシアであったり、メラニシア、さらにはミクロネシア。

 南極、北極に近い地域もあります。

 陸路で転々と回って国の変化を見ていく取材もあれば、ピンポイントで飛行機で飛び込び、そこから陸路で入って取材することもありました。

 130を超える地域を取材していく中で、写真カメラマンとしてシャッターを切り続けてきてきましたが、その方法には大きな変化がありました。