米労働市場の過熱に落ち着き

 足元の2023年11月上旬に発表された同年10月の「米国雇用統計」は、「非農業部門雇用者数」は前月比15万人増(事前予想は約17万人増)、失業率は3.9%(事前予想は3.8%)でした。この労働市場の減速は、全米自動車労組(UAW)によるストライキの影響があるものの、インフレ抑制のために金融引き締め政策をとっているFRBにとっては、景気が後退しない程度に雇用が鈍化したという点で安心材料になったと見る向きもあります。

全米自動車労組(UAW)のストライキ(写真:ロイター/アフロ)

 市場では「FRBの利上げ局面が終了した」との見方が広がっていますが、米国ではなおインフレ率の高止まりが懸念されています。世界の景気を先導する「米国雇用統計」、ぜひチェックしてみましょう。

【主な参考資料】
Release Calendar(U.S. BUREAU OF LABOR STATISTICS)
Employment Situation(U.S. BUREAU OF LABOR STATISTICS)
CEIC
THE WORLD BANK
アングル:米雇用統計は「普通」の結果に、FRBにとって安心材料