クラフト・ハインツやIBMは失敗

 首位のアップルと第2位のバンク・オブ・アメリカは、前編でも説明しました。第3位のクラフト・ハインツは2015年にクラフト・フーズとH・J・ハインツが経営統合してできた企業で、このときバークシャー・ハザウェイが資本参加しました。

 しかし、経営統合後の事業展開は思惑通りにいかず、株価の低迷も続きました。現在でも持ち分法適用の関連会社として経営に携わっていますが、2019年5月の株主総会でバフェットさんは「クラフト・ハインツへの投資は失敗だった」と率直に認めています。

 第4位に顔を出すシェブロンは2020年10 ~12月期から投資を始めた銘柄です。2020年8月に取得を明らかにした日本の大手商社株や、2022年1~3月期から投資を始め、第9位に顔を出しているオキシデンタル石油株も含め、資源価格の上昇を見越して投資に動きました。

 IBMへの投資は、2011年7~9月期から2017年10~12月期にかけてのことでした。バフェットさんはIBMの復活に賭けたのですが、思惑通りに進まず、結局、撤退しました。

 日本の大手商社株のうち、最も保有額が大きい三菱商事の場合、米ドル換算で57億ドル程度の株式を持っていることになりますから、もし、ランキングに外国株を含めれば、上位20番目ぐらいに位置付けられると思います。

 バークシャー・ハザウェイが持つ日本の大手商社5社の株式の総額は、米ドル換算で190億ドル前後になります。5社まとめてではありますが、保有額はコカ・コーラに準じる水準ですから、バフェットさんにとっても久々の大型投資といっていいのではないでしょうか。