アップルがこのほど発表した2023年7~9月期決算は、売上高が前年同期比1%減の894億9800万ドル(約13兆4700億円)となり、4四半期連続で減少した。
同社は2023年10~12月期の売上高について、前年並みになるとの見通しを示した。これを受け、アップルの株価は決算発表日(23年11月2日)の米株式市場の時間外取引で約3%下落した。
高価格帯モデルがiPhone増収に寄与
一方、同四半期の純利益は同11%増の229億5600万ドル(約3兆4500億円)で、2四半期連続で増加した。スマートフォン市場が低迷する中、アップルは利益率の高い高価格帯モデルを積極販売したり、サービス事業の強化を図ったりして2桁増益を確保した。
主力のスマートフォン「iPhone」の売上高は、438億500万ドル(約6兆5900億円)で、前年同期から3%増加。2%の減収だった前四半期からプラス成長に転じた。
香港の調査会社カウンターポイントリサーチによれば、23年7~9月期における世界スマホ販売台数は前年同期比8%減少し、9四半期連続で前年実績を下回った。iPhoneの販売台数は、前年同期から9%減少したとカウンターポイントは推計している。こうした中、アップルは高価格帯モデル「Pro」の販売に力を入れ、増収を確保した。
アップルのProモデル戦略
アップルがより高価なProモデルを導入したのは、スマホ市場が減速し始めた4年前だ。19年にiPhone 11で初のProモデルを市場投入し、ベースモデルよりも先進的なカメラシステムと優れたディスプレーを顧客に提供した。