「粗製乱造」のファンド
まず日本ではどのような投資信託が販売されているのか、おさらいしましょう。日米でファンドの本数と運用資産を比較します。
日本の運用資産は約2兆ドル(約300兆円)、米国の約14分の1です。一方、ファンドの本数は1万4000超、米国より4割ほど多い。1ファンドあたりの運用資産は米国の約20分の1です。
日本は全体の運用資産が少ないばかりか、小さい規模のファンドが乱立している状況なのです。
主な原因は、証券会社やメガバンクなど投資信託の販売会社が、手数料をかせぐために販売しやすい商品ばかりをグループ傘下の資産運用会社に作らせてきたことです。その時々で話題性のあるテーマや短期的に値上がりが期待できるテーマで資産運用会社に商品を作らせ、販売開始と同時に営業攻勢をかけ大量に売りさばき、話題性が乏しくなるとすぐに次の商品に切り替える、ということを繰り返してきたのです。
極端な言い方をすれば、「粗製乱造してきた」と言ってもよいでしょう。これが運用の実力不足を招く諸悪の根源、でもあります。