夏ドラマの視聴率争いでTBS『日曜劇場 VIVANT(ヴィヴァン)』(日曜午後9時)がトップを独走している。1~2話はプライム帯(午後7~同11時)で放送中の全ドラマの中でトップ、3~6話はドラマに限らず同帯の全番組の中でトップだった。
中高年以上も若者も観ている。若者のテレビ離れ、ドラマ離れが指摘されて久しいが、その見方は間違っていた。若者が観たいドラマがなかったから観られていなかったのである。『VIVANT』は今後のドラマ界の認識を一変させそうだ。
すべての世代に見られている
以下、『VIVANT』の1話から6話までの視聴率である(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。個人全体とは4歳以上の視聴者がどれくらい観ていたかの割合。6%超えでヒット、8%超えで大ヒットとされているものの、そんなドラマはないに等しい。ところが、『VIVANT』はやってのけた。関東地区の個人全体の1%は約42万人なので、第6話は約391万人が観たことになる。
コアとは13歳から49歳までに絞った個人視聴率。これが低く、個人全体の数字のほうの大きさが目立つと、50歳以上に好まれている。コアは5%を超えたらヒットとされているが、これも達成したのは『VIVANT』のみ。T層とは13歳から19歳までの個人視聴率。F1層は20歳から34歳までの女性の個人視聴率である。どちらも2%超えすら簡単ではない。
また、世帯視聴率はどんな人が何人観ているのか分からないため、3年半前からテレビ局もスポンサーも使用していないが、参考値として付記する。
①個人全体7.4%、コア5.1%、T層4.9%、F1層3.8%(世帯11.5%)
②個人全体7.2%、コア4.6%、T層2.7%、F1層3.3%(世帯11.9%)
③個人全体8.9%、コア6.2%、T層4.1%、F1層4.6%(世帯13.8%)
④個人全体8.4%、コア5.8%、T層4.1%、F1層4.9%(世帯13.4%)
⑤個人全体8.7%、コア6.1%、T層5.4%、F1層5.3%(世帯14.2%)
⑥個人全体9.3% T層5.5% F1層6.6(世帯14.3%)
驚異的な数字と言っていい。14日から20日までに放送されたドラマの中で2位は16日に放送されたテレビ朝日『科捜研の女season23初回2時間スペシャル』(水曜午後8時)だが、個人全体5.4%(世帯9.6%)に過ぎず、ヒットとされる数字に達していない。3位で17日放送の『ハヤブサ消防団』(木曜午後9時)もそう。個人全体は5.1%(世帯8.8%)。『VIVANT』とはかなり開きがある。