Netflixで配信され世界的に話題を呼んだ、大相撲をテーマにしたオリジナルドラマ『サンクチュアリ-聖域-』(Netflixホームページより)

 地上波の連続ドラマの放送枠が増え続けている。昨年の春ドラマはプライム帯(午後7~同11時)が14本、深夜帯(午後11時以降)は17本だったが、現在放送中の夏ドラマはプライム帯が15本、深夜帯は18本ある。さらにフジテレビは秋から金曜9時台も連ドラ枠にする。

 なぜ、ドラマが増えているのか?

 その理由は多くの方がご存じだろう。民放の場合、自社系列などの有料動画配信のコンテンツに使えるからだ。

地上波のプライム帯の1時間ドラマの制作費は平均3000万円、それに対してNetflixは…

 テレビ離れによって業績が冷え込む民放界にとって、有料動画配信は金鉱である。動画でバラエティを観る人もいるものの、主力はドラマ。バラエティの場合、録画で観る人すら少数派だ。

 最近の民放はテレビ離れで生まれた穴を有料動画配信でそっくり埋めようとしているようにも映る。しかし、そう簡単にはいかないのではないか。地上波の場合、自分たちと身の丈がほぼ同じ他局と争うだけだが、有料動画配信は海外の巨大資本と競わなくてはならないのだから。

 民放のプライム帯の1時間ドラマの場合、制作費は平均3000万円前後。一方で大相撲をテーマにしたNetflixのオリジナルドラマ『サンクチュアリ-聖域-』(今年5月配信、全8話)のに目を移すと、1話あたりの制作費は1億円程度と見られている。この作品に限らず、Netflixのドラマは制作費が民放の2倍以上。だからキャストは豪華だし、映像も丁寧につくられているのが分かる。

『サンクチュアリ』の主演は一ノ瀬ワタル(37)。助演は染谷将太(30)、金子大地(26)、岸谷五朗(58)、笹野高史(75)、松尾スズキ(60)、中尾彬(80)、忽那汐里(30)、小雪(46)、余貴美子(67)たち。ベテランと若手実力派ばかりだから、興ざめする演技がない。