婚活アドバイザーが笑顔の指南

「40~50代の男性は、親御さんの世話が必要という方も多く、結婚相談所に家政婦さんを探しに来ているような方がおられます。最初にそうした考えを改めていただかなければ、お見合い自体が難しい」

 まだまだ「昭和か!」というより、「明治か!」という男性が存在するようだ。

 条件を緩和させてからも、舞さんたちの「無理ゲー」は続く。

「選定をするにあたっても、『共通の趣味がある』というような条件の一致はほぼありません。年齢が近い、実家が近いなど、小さな穴をこじ開けるように共通項を見つけ、どうにか先方を説得してお見合いをOKしてもらう」

 婚活アドバイザーが選定するとはいえ、相手がOKしなければお見合いは成立しない。

「『ぜひ会っていただきたい、本当に素晴らしい方なのです』という誇張は、後から会員の信頼を失うことになりかねません。『とにかく会う回数を増やして、可能性を広げることが大事です』と言って説き伏せます」

 どうにかお見合いのスケジュールが組めたら、今度は男性会員に女性と会うためのさまざまなアドバイスを行う。これも舞さんたち婚活アドバイザーの重要な任務だ。

「なんだかんだ言っても『見た目』は大事です。会員の中高年男性は、服装や髪型も女性に好かれる雰囲気ではありません。イケメンである必要はない。せめて床屋さんではなく、美容院に行ってくださいとか、そこからアドバイスをさせていただいています」

 確かに、昭和な「角刈り」より、サラっとした髪型のほうがお付き合いはしやすいかも。別に角刈りがイケないわけではないが。

「あと、笑顔の練習もします。でもこれが難しい。普段からやっていなければ、ものすごく不自然な笑いになってしまいます。笑顔のせいでお相手の女性がバカにされたと誤解することもあるくらいで……」