重要なのは、話す前にとにかく書くこと(写真:アフロ)

『人を「惹きつける」話し方』著者の佐藤政樹氏は、劇団四季で主役を務めた俳優であり、話し方、伝え方に関する「TEDx」の講演が40万回も再生される人気研修講師。もともと極度の人見知りと口下手で、就職活動は全滅、アルバイトとして就いた営業職では、お荷物赤字社員で、まさかの戦力外通告……。

 そんな佐藤氏だったが、チラシ配り、テレアポ、携帯電話販売、ツアーガイド、銀座のキャッチ、結婚式の司会業など、ありとあらゆるアルバイトを通して話し方の独自の手法を編み出すことに。劇団四季時代に創設者の浅利慶太さんから直接教わった「伝えることの本質」を掛け合わせた惹きつける話し方の「極意」とは。

(*)本稿は『人を「惹きつける」話し方』(佐藤政樹、プレジデント社)の一部を抜粋・再編集したものです。

◎第1回「劇団四季の元主役俳優が見た、トークで人を惹きつける人に共通するスキル」から読む

(佐藤 政樹、企業研修講師/講演家)

「考えや想いはなんとなくあるのだけど、言葉が出てこない……」

 こういった悩みを解決するのが、これから紹介する「話すための書く練習」です。

 前回にもお伝えしましたが、私たちの頭の中には、いつも漠然とした考えや想いがあります。その考えや想いを、適切な言葉にして自分の中から引き出し相手に届ける行為が“話す”ということです。

 言葉が上手く出てこない人は、言葉を自分の中から引き出せていない状態です。その原因は、「そもそも自分の中に言葉が存在しない」、もしくは「あってもそれを瞬時に引き出せない」「ふさわしい言葉を選んで、つむぐことができていない」のどれかでしょう。

頭の中をきれいに整理整頓するためにも書くことが大切(写真:アフロ)

 “書く”ことは、その言葉を自分の中にストックし、“考え”や“想い”を言葉に変換するための話す前の訓練です。

 では、ここで皆さんに、“書くこと”で得られる5つのメリットをあげておきます。