なぜといって趣味のスキューバダイビングと、学卒程度・プロフェッショナル未満の航空工学を振り回し、深海観光は巨大なマーケット足り得る!というドン・キホーテの夢を追いかけ2007年頃オーシャンゲートを設立、一人で事故に遭うならまだしも、罪もない関係者を巻き添えにしてしまったのですから。

 今回亡くなったフランスの潜航艇操縦士ポール・アンリ・ナルジョレ氏(1946-2023、享年77)は、国際的に知られたタイタニック沈没船に詳しい人物と伝えられます。

 ITで成功し飛行機操縦が趣味の英国人ハ―ミッシュ・ハーディング氏(1964-2023、享年58)にしても、パキスタンの投資家シャーザダ・ダウード氏(1975-2023、享年48)、さらには、元来は母親が乗り込むはずだったという息子のスールマン・ダウード君(2003-2023、享年19)にしても、ここで死なねばならない道理はなかった。

 ダウード親子は父の日近くに高価なチケットを購入して冒険アミューズメントに参加しただけの、単なるお客さんが命を奪われてしまった。

 なぜそんな事態を招いたか?

 それは、設計にもタッチしたと思われるラッシュCEOが、アマチュア・ダイバーとしての経験と、40年前学部まででストップした航空工学のごちゃまぜで「ボーイング社が放出した使用期限切れのジェット機体用カーボンファイバー素材を買い込んできて、本質的に沈むように運命づけられた愚かなミス設計の潜水艇タイタンを捏造したから」と察せられます。

 実際、かたちに即してご説明しましょう。こんな設計はあり得なかった。

 でも、そもそも潜水艇という中途半端な存在を、明確に縛る法規が完備されていなかったようなのです。

 モーターのついた潜水艦には規制もあれば免許もあるけれど、船から吊り降ろす、単なる「カゴ」のような潜航艇は、陸上でいえば乳母車みたいなもので、厳しい基準が存在しなかった。

 その虚を突いて、こういう事故を、まず100%人為によって引き起こしてしまった。