北朝鮮のICBM発射に対抗して米軍と共同訓練を行う自衛隊戦闘機(資料写真、2023年2月19日、提供:防衛省統合幕僚監部/AP/アフロ)

(北村 淳:軍事社会学者)

 G7広島サミット開催が近づき、岸田首相の「アメリカべったり」がますます加速しているようだ。

 本コラムの寄稿開始当初は米軍との実質的協力関係構築を模索したものであったが、安倍政権時代を通して「同盟の強化」が「従属の強化」へと歪んでしまい、岸田政権はその路線をさらに推し進めようとしている。

トモダチ作戦に参加した米海兵隊将校の指摘

 そもそも本コラムがスタートしたきっかけは、2011年の東日本大震災に際して米海軍海兵隊を主力として投入した災害救援活動「トモダチ作戦」であった。

 当時米海軍関係機関のアドバイザーを務めていた筆者は、トモダチ作戦に参加した多くの米海兵隊将校から「自衛隊に水陸両用能力が存在していれば多くの人命を失わずに済んだに違いない」との意見を耳にした。それ以前より私的に交流していた米海兵隊・米海軍関係者たちと、「シーパワーであるべき日本の陸上戦力は水陸両用能力(海洋から海・空を経由して陸地に到達して作戦行動をする能力)を中心に据えた機動力に富んだ少数精鋭軍隊であるべき」との見解をともにしていた筆者は、それらの人々の協力を得つつ本コラムの寄稿を続けていく運びとなった。

 本コラム連載開始前後(2009~2012年ごろ)は、米海兵隊はなんとか自衛隊に水陸両用能力を発足させるべく公的私的様々なコンタクトを形成しつつ日本側にプッシュしていた。やがて、陸上自衛隊に水陸機動団が発足したものの、その性格は我々の理想とは大幅に相違してはいた(2012年3月28日本コラム参照)。とはいえ、曲がりなりにも自衛隊に水陸両用能力獲得への道筋が誕生したことは本コラム筆者としては喜ばしい進展であったと言えよう。