(英エコノミスト誌 2023年4月22日号)

自我に目覚めた中国をデリスキングするのは極めて難しい(写真は新疆自治区の首府ウルムチ)

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欧州首脳は中国からの「デカップリング」ではなく「デリスキング」を望んでいる。残念ながら、中国自身はリスクでありたいと思っている。

 デリスキング(リスク低減)というのは、興味深いアイデアを表す醜い名前だ。

 西側諸国の政治指導者の間では、中国との将来の関係をどう管理したいかを説明する際に、何らかのリスク管理について語る向きが増えている。

 このアプローチは、不可能なこと――すなわち、中国のように大きく重要な国を封じ込めたり孤立させたりしようとすること――と耐えられないこと――すなわち、小さな国々をいじめることが多い独裁国家に依存すること――との中間を取る道筋として提示される。

率直な外交に重き置く欧州委員長

 欧州連合(EU)のウルズラ・フォンデアライエン欧州委員長は、この言葉をよく使う指導者だ。

 委員長によれば、中国は重要な貿易相手国であり、気候変動をはじめとする地球規模の難題への対応でも有力なプレーヤーだ。

 従って、中国との「デカップリング(分離)」は実行可能ではなく、欧州の利益にかなわない。

 むしろ、中国による自国民の抑圧や外国への強硬姿勢を引き合いに出し、結びつきのデリスキングを求めている。

 実を言えば、デリスキングとはいくつかの防衛戦略を総称する言葉だ。

 フォンデアライエン氏はそうした戦略のうち、誤解を避ける観点から外交における率直さを重視している。

 先日の北京訪問の前には、ロシアが「極悪非道かつ違法なウクライナ侵攻」を行った後でさえ習近平国家主席がウラジーミル・プーチン大統領を温かく受け入れたことから不公正な貿易慣行に至るまで、信頼を損なう中国の行動を列挙してみせた。