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(古森 義久:産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授)

 米国の機密情報の流出がワシントンに激震を引き起こしている。若い米軍州兵が軍事関連の秘密情報を不当に取得して拡散していたというこの事件は「21世紀のゲーム型犯罪」とも評される。これまでの政府機関の機密流出とは動機がまるで異なるようだからだ。

 同時に、流出した機密情報を全世界にさらに広めようとした謎のロシア系女性が管理するサイトの存在も浮かび上がった。この女性はウクライナのロシア系地区出身だが、最近まで米軍の軍人だったという。

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 米国連邦捜査局(FBI)は4月13日、米国政府機関の機密文書を不当に持ち出した容疑でマサチューセッツ州基地の空軍州兵、ジャック・テシェイラ1等兵を逮捕したと発表した。バイデン政権のガーランド司法長官も同日、ワシントンで記者会見して、「FBIは国防機密情報の不正な持ち出し、保持、送信の疑いに関する捜査により、本日午後、テシェイラ容疑者の身柄を拘束した」と公表した。

 同長官は容疑についてスパイ法の規定による国家機密文書の違法な持ち出しと拡散だと述べたが、書類の具体的な内容などについては明らかにしなかった。