家庭から距離を置くようになった夫

 この調査では、「結婚に至るまでに複数の方との交際があってよかったと思ったこと」を記述している。

「ダメ男の見分けがついた(40代/女性/会社員)」。ジュンコさんは、こうした選択眼の習得は求めていないが、次の回答には心がざわつくだろう。

「自分の想像もつかない価値観の人と話して人生経験が増えた(30代/女性/会社員)」

 彼女は僕との食事中、しきりに繰り返した。

「深く知っている男性が夫しかいないのは、女性の人生経験として寂しいと思いませんか?」

 それでも夫が自分だけを見ていると自信を持てる時期は、こうした気持ちは湧き出なかった。

 ところが、2人の娘が最も手間がかかる乳幼児期を卒業すると、夫は家庭から距離を置くようになった。