(田中 美蘭:韓国ライター)
世界的な物価高騰が続く中、日本ではこの冬の電気代・ガス代の上昇が市民生活に打撃を与えている。Twitterを見ても、「光熱費のあまりの上がり方に言葉を失った」などという声が目につく。
ここ韓国でも先月、1月の電気代・ガス代の請求書が届くと悲鳴を上げる人々が続出した。特に、ガス代が急激に高騰したからだ。
ソウルを中心に寒さが厳しい韓国の住宅では、オンドルと呼ばれる床暖房が頼りとなる。昔はかまどで薪や煉炭を燃やして生じた熱を利用して床下を温めていたが、現在では水をガスや電気で温める方法が主流だ。
オンドルには断熱効果もあり、冬の韓国がどこに行っても温かいのはこのためだ。だが、「暖房費爆弾」とも呼ばれているガス代の急激な高騰は、国民生活にとって大きな頭痛の種になっている。
昨年比で40%以上値上がりをしたガス代
先日、筆者のスマホにもガス代を知らせるメールが届いた。確認して驚いたのは、1月のガス代が前月と比較して約2倍近くに上がっていたことだ。昨年の同時期と比べても、約1.5倍の増加である。
具体的に額を示すと、12月は5万4000ウォン(日本円で約5400円)だったのに対して、1月は11万4000ウォン(約1万1400円)だ。
一番寒さが厳しい昨年の同時期でもガス代は7万~8万ウォン台(約7000~8000円)で推移しており、日本円で1万円を超えることはなかった。1月の旧正月の連休頃から2月初めにかけては寒波の影響もあり、厳しい寒さが続いた。恐らく、今月のガス代はさらにアップするものと見込まれる。
地域や住宅の大きさ、家族の人数など様々な条件によって光熱費は変動するため、料金だけでの比較は一概にできないものの、筆者の周囲も一様に「いきなり上がっていたので驚いた」という声が多い。