先月20日、ミャンマーと隣国タイの国軍トップ同士が会談した。
出席者は、ミャンマー側が一昨年2月のクーデターを率いたミン・アウン・フライン国軍司令官、タイ側が国軍最高司令官チャラームポン・スリサワスディ将軍だ。軍事組織のトップ同士によるこの会談で、両司令官はミャンマー・タイ間の国境問題などで意見を交換したとみられている。
会談はミャンマー領ラカイン州サンドウェーのガパリビーチという未開発の海洋リゾート地域で開催された。まず1月19日にガパリに到着したチャラームポン国軍最高司令官は、同日夜には招待されていたミン・アウン・フライン国軍司令官の夕食会に参加、翌20日に国軍トップ同士の会談を行ったという。ただし、会談の詳しい内容は明らかになっていない。
タイの「スタンドプレー」
タイはASEANによるミャンマー問題の解決へのプロセスとは一線を画す動きを見せてきた。このことは、今年のASEAN議長国であるインドネシアや対ミャンマー強硬派のマレーシアやシンガポール、フィリピンなどとの足並みの乱れが調停工作に深刻な影響を与えかねない状況となっている。
1月12日には新型コロナの感染拡大を機に閉鎖されていたタイ北西部の都市メントとミャンマー東部の都市ミャワディを結ぶ「第1友好橋」の往来が3年ぶりに再開された、と東京新聞が報じている。
また昨年12月22日にタイ外務省は、ミャンマー軍政が“外相”に任命したワナ・マウン・ルウィン氏を招待してバンコクで「外相会議」を開催している。