(湯之上 隆:技術経営コンサルタント、微細加工研究所所長)
TSMCが世界半導体売上高ランキングで世界1位
米調査会社のガートナーが2022年の世界半導体売上高ランキング・トップ10の速報値を発表した(図1)。そのランキングによると、1位は2021年に続いて2年連続で韓国サムスン電子(Samsung)、2位は微細化で躓いている米インテル(Intel)、3位は韓国SKハイニックス(SK Hynix)などとなっている。
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日本企業は昨年2021年に続いて今年も、1社もランクインされなかった。また、トップ10の常連だった米エヌビディア(NVIDIA)がランク外となり、代わってiPhone用プロセッサを自前で設計している米アップル(Apple)が10位にランクインした。
ここで、ガートナーはファウンドリーをランキングに入れない。一方、他の調査会社のIC Insightsなどはファウンドリーもランキングに入れる。筆者はどちらかというと、IC Insights方式を採用したい。というのは、台湾のファウンドリーのTSMCがどの辺りにランクされるかを知りたいからだ。
そこで、2023年1月12日に行われたTSMCの2022年第4四半期(Q4)の決算発表資料を見てみた。すると、TSMCは、2022年通期の売上高が758.8億ドルだったことが分かった。これは、ガートナーのランキング1位のサムスン電子の売上高(655.85億ドル)を超えている。
となると、2022年の世界半導体売上高ランキングにおいては、TSMCが初めて世界1位になったということになる。そこで、2000年以降における、主な半導体メーカーの売上高推移をグラフにしてみた(図2)。