アフガニスタンの人々が余儀なくされている労働とは……

 タリバーン政権が再興すると同時に、医療をはじめとした国際支援は遮断され、小さな命、助かるはずの命も奪われています。そして、大きな社会問題となっているのが貧困です。現時点でアフガニスタンでの失業率は非常に高く、食べていくための仕事、雇用というものがありません。

 そんな取材のなかで、現地の助けを借りながら、ダルフールの人々に触れることができました。

2009年4月 渡部陽一撮影

 この写真、きれいな花畑が写っています。じつはこの植物は「ケシ」。麻薬の原料となるケシを栽培している場所です。

 自給自足で暮らす人であっても、穀物を栽培するだけでは家族を支えることができません。過激派組織が入り込んだ地域では、ライフラインを保つためにケシを栽培するしか選択肢がない。そうしないと食べていくことができないんです。

 これがアフガニスタンの貧困のなかで生きていくための、ひとつの厳しい壁。このようなケシ畑を、たくさんの地域で確認しました。