(古森 義久:産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授)
今回の米国の中間選挙は日本でも異例なほど高い関心を集めた。その選挙の結果はどうだったのか。
最大のポイントは、共和党の下院での多数派制覇である。その結果、民主党のバイデン政権はこれまでの議会上下両院での円滑な支持を失った。しかもバイデン大統領は、次男のハンター氏にかかる不正疑惑に関して、共和党主導の下院で正面から追及を受けることともなりそうだ。
これまで私が米国で取材し、報道してきた十数回の中間選挙で、今回ほど日本側の関心が高くなったことはない。
その背景には、日本が国家安全保障上、米国に頼らねばならない状況がますます強くなっているという現実がある。中国の尖閣諸島への軍事攻勢、北朝鮮による頻繁なミサイル発射、日本への恫喝など、今の日本はまさに国難である。その苦境においては日米同盟での米国の軍事力の抑止が大きな支えとなる。その米国が有事にも公約どおり日本を防衛するかどうか。米国内の政治動向の変遷によるところが大である。だからこそ米国の今回の中間選挙に向ける日本側の視線も、異例なほど熱くなったのだろう。
ナンシー・ペロシ下院議長を解任
「今夜、ついに公式となった。私はいま民主党の一党支配の時代が終わったことを誇りをもって宣言する」