(古森 義久:産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授)
米国の中間選挙は、投票日の11月8日から1週間が過ぎても連邦議会下院の結果が確定していない。この集票の遅れに米国有権者たちの不満が高まっている。
その主な原因は郵便投票の数の多さだとされる。郵便投票といえば、米国の選挙の長い歴史で2020年の大統領選挙で飛躍的に増大し、共和党側からは不正の温床だとする非難がぶつけられた。
前回の大統領選では、民主党が全米規模で郵便投票の実行を推し進め、集票に大きな成果をあげた。今回の中間選挙でも郵便投票では民主党票が共和党票より圧倒的に多いことが判明している。共和党側から再び不満や抗議が発せられると見られ、米国の選挙制度自体への批判がまた渦巻きそうだ。
遅々とした開票、有権者は不満
米国の中間選挙は投票日からちょうど1週間の11月15日時点でも、開票と集計がかなりの数の州や選挙区で終わっていない。