ロシア軍のミサイル攻撃を受けたウクライナの首都キーウ(資料写真、2022年10月31日、写真:ロイター/アフロ)

(古森 義久:産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授)

 米軍の海兵隊大佐だった人物を中心とする外国人志願兵部隊がウクライナ戦争で活躍している。その活躍が米国内でも幅広く注目されるようになった。

 100人ほどのこの米人主導部隊は、偉大な作曲家の名を冠して「モーツァルト・グループ」と名乗り、ウクライナ各地で現地の新兵の訓練や民間人の避難・救出にあたっている。

 中心人物は「過去に自身が参加したイラクやアフガニスタンの軍務よりも、ウクライナでは戦いの大義が明確であり、生命の危険を冒す価値を感じる」と述べている。

なぜ「モーツァルト」なのか

 モーツァルト・グループは2022年3月にウクライナの首都キーウで結成された。創設者は米軍海兵隊に30年以上勤務した退役大佐のアンドリュー・ミルバーン氏である。海兵隊のなかでも秘密作戦などの特殊任務に就くことが多く、ソマリア、イラク、アフガニスタンなどの戦闘活動に従事してきた。