第20回中国共産党大会の閉幕を伝えるニュースを映す中国・杭州の巨大スクリーン(2022年10月23日、写真:AP/アフロ)

(藤谷 昌敏:日本戦略研究フォーラム政策提言委員・経済安全保障マネジメント支援機構上席研究員、元公安調査庁金沢公安調査事務所長)

 中国共産党が北京で10月16日から開催していた第20回党大会が22日、閉幕した。習近平国家主席の党の核心としての地位と、政治思想の指導的地位を固める「2つの確立」を盛り込んだ党規約の改正案を承認した。

 習近平総書記が今までの慣例を破って再任されて3期目になることはすでに確実視されていたが、李克強首相が引退に追い込まれたのは予想外だった。

 汪洋全国政治協商会議主席も引退となったが、最も驚いたのは、次期首相の最有力候補とも見られていた胡春華副総理が政治局委員にすら入っていないことだ。

 代表的な共青団派(中国共産主義青年団、中国共産党を支える下部組織として設立された青年エリート集団)である李克強、汪洋、胡春華は、いずれも胡錦濤前総書記と強い関係にある。これまでも習近平総書記と共青団派とは様々な軋轢があり、例えば2014年、胡錦濤の最側近だった令計画が息子の自働車事故隠ぺいの容疑で重大な規律違反に問われ、収賄容疑で逮捕された事件や、2020年に習近平総書記が貧困撲滅宣言を行った際には、李克強首相が「中国には平均月収が1000元(1万5000円)前後の中低所得層も6億人いる」などと暴露し、習近平総書記のメンツをつぶすような発言をしたことがあった。