インドで10月30日に崩落した吊り橋から落ちた行方不明者を探す人々(10月31日撮影、写真:AP/アフロ)

 10月29日に韓国ソウルの梨泰院圧死事故があった翌日、今度はインドから吊り橋の落下事故が報じられました。

 場所はインド西部のグジャラート州モルビ(Morbi)の通称「ジュルト・プル(Jhulto Pul)」『モルビ吊橋』が崩落、約150人の命が失われました。

 10月30日日曜日の夕方6時20分頃のことでした。

 こちらの事故は橋が断裂して落下する模様が監視カメラの記録ビデオ(https://www.indiatoday.in/india/video/cctv-footage-shows-people-shaking-morbi-bridge-moments-before-tragedy-2291378-2022-10-31)に隠れもなく残されているので、まずはその瞬間をご覧ください。

 10月31日時点で141人の死者とのことですが、ソウルと違って現場は川の流れがあって遺体の回収がはかどらず、まだ犠牲者数は増えそうな見通しとのこと。

 梨泰院の犠牲者154人とほぼ同規模の事故と考えられるでしょう。

 日本国内では、邦人の犠牲者も出たため報道は梨泰院事故一色で、同じアジアとはいえインドの事故は影が薄い印象です。

 しかし、全世界的にはこちらのニュースの方が盛んに(https://www.bbc.com/news/world-asia-india-63445154)(https://edition.cnn.com/2022/10/30/asia/india-bridge-collapse-intl/index.html)報じられています。

 その大きな理由の一つは「その瞬間」が映されたビデオが残っており(https://www.indiatoday.in/india/video/cctv-footage-shows-people-shaking-morbi-bridge-moments-before-tragedy-2291378-2022-10-31)、橋が切れる直接のきっかけがはっきり分かるからでしょう。

 ビデオをよく見てください。

 複数のふざけた若者が、橋を意図的に揺らして遊んでいます。生存者の証言によると、その数は20~30人程度であったとのこと。

 そしてその渦中、突然吊り橋は真ん中付近から2つに断裂した模様で、ビデオ画面では橋の床板をケーブルと結ぶ金具がすべて外れて観客ごと崩落、人々は一瞬にして数十メートル下の川へと落下して行きます。

 最後に大揺れを起こしたふざけて遊んでいた子供たちも無事である保証は何もない。かなりの確率で犠牲者に含まれている可能性がある。

 白い衣服の少年も落下して行くさまが確認でき、行為と個人が特定できてしまうので、親や関係者は頭を抱えていることでしょう。

 この愉快犯的な子供たちが、単に「犠牲者」なのか否かは、現在国際世論でも厳しく問われています。