天皇賞(春)を制したタイトルホルダー(Nadaraikon, CC BY-SA 3.0via Wikimedia Commons)

(羽田 真代:在韓ビジネスライター)

 また韓国らしいニュースが報じられた。

「【単独】永川(ヨンチョンシ)競馬公園の広報画、実は日本を代表する競走馬(2022.10.12/JTBC)」というタイトルのニュース記事だ。タイトルを読めば記事の内容は想像できてしまうが、念のため軽く触れておこう。

(当該記事)
【単独】永川(ヨンチョンシ)競馬公園の広報画、実は日本を代表する競走馬(https://news.jtbc.co.kr/article/article.aspx?news_id=NB12083087)※韓国語

 現在建設中の永川競馬公園を背景に描かれたトリックアート。競走馬と騎手が一体となって走る姿が生き生きとしている。トップを走る馬とその馬に跨った騎手は今にも絵から飛び出してきそうだ。

 トリックアートの観覧客は、騎手が差し出した手にタッチして記念撮影ができる仕掛けだ。

 この絵は2022年9月に慶尚北道(ギョンサンブㇰド)・永川市が韓国初の芝コース建設開始を記念して業者に制作を依頼。翌月の10月に同市市役所のロビーに設置された。

 予算は845万ウォン(約86万円)で、最終的に794万3000ウォン(約81万円)で業者と契約した、それなりにいい値段のする絵だ。

 だが、設置されたトリックアートを見て観覧客たちは不思議に思った。競走馬も騎手も韓国内の競技場で見る出で立ちではないからだ。

 JTBCが調べてみたところ、馬は日本のタイトルホルダーではないかとのことだ。額に白い紋章がついた芝生用の黒いマスクと、紫色の鞍が確かに同じだ。

 加えて、騎手が着ている勝負服はタイトルホルダーの馬主である山田弘氏を象徴する、黄色と緑色を組み合わせたものだともJTBCは指摘している。確かに独特な山形模様がそっくりだ。騎手は横山和生騎手だろうか。

 筆者が追加で調べたところ、トリックアートで描かれたシーンは「宝塚記念2022」のゴール後のシーンと似ていることが判明した。映像を反転させれば、物議を醸している絵とそっくりだ。

 ただし、2022年の宝塚記念で横山騎手がかぶった帽子は赤に青のラインが入っているのに対し、トリックアートはピンクに青のラインであるから、完全に真似したというわけではなさそうだ。