(筆坂 秀世:元参議院議員、政治評論家)
今年(2022年)7月の参議院選挙で自民党が勝利を収めた際、岸田文雄首相は「黄金の3年」を手に入れたと言われた。衆議院の解散がない限り国政選挙がないから楽だという意味だ。
誰が言い出したのか分からないが、民主主義の基本である選挙がないことを良いことのように言うのだから、けしからん屁理屈(へりくつ)ではある。
すべてが行き当たりばったり
だが現実には、岸田内閣の支持率は急速に下がっている。10月3日付朝日新聞に、1日、2日に行った世論調査結果が掲載されている。それによると不支持が50%に達している。内閣が発足した昨年10月には、不支持は20%だった。それが2.5倍も増えてしまったのだ。参院選があった今年7月でも不支持は25%だった。この時に比べても2倍になっている。
理由無くして支持が減り、不支持が増えることはない。最大の理由は、何をしようとしているのかが、まったく見えないことだろう。