誰でもなれそうな警備員の採用基準
警備員は中高年のアルバイトの代表格と言える。人手不足のため、中高年でも採用されやすいからだ。「警備業法」で定めるところによれば、心と体の健康に問題がなく、前科のない人ならなれるようだ。
細かい採用基準は会社によって異なるが、とある警備会社の採用担当に聞いたところ、「70歳が定年なので、67歳くらいまでは採用可能。高血圧などの持病があっても、治療中の人ならば問題ない」という。
Oさんも、即採用だった。ただし正式に仕事に就くまでには、さまざまな書類の提出や研修が必要になる。これも警備会社によって内容は異なるが、Oさんの場合は主にこのようなものだった。
まず健康診断書。これには「精神疾患を患っていない」ということを証明する診断書も含まれる。内科でも書いてくれるそうだ。
「ボクも初めて知ったけど、警備員採用のための診断をやっている専門の病院がけっこうあるのよ。診断書を書いてもらうのに1枚1500円取られたけどね」
そして地元の法務局へ行き、「成年後見人がいないことを証明する書類」「前科前歴が過去5年以内にないことを証明する書類」も用意した。
さらに、2日間で8時間ずつ、ビデオを見る座学の講習も受けたという。Oさんはこうした面倒な手続きを2週間ほどでクリアし、晴れて動物園の駐車場の警備員を勤めることになった。