安倍晋三氏銃撃を巡る報道に抗議して韓国でデモを行う旧統一教会信者たち(資料写真、2022年8月18日、写真:AP/アフロ)

(藤原 修平:在韓ジャーナリスト)

 韓国と付き合うと否応なくつきまとってくるものの1つに、統一教会がある。

 7月7日の安倍元首相暗殺事件を契機に、日本ではにわかにこの新興宗教団体が批判の矢面に立たされるようになった。そもそも凶弾に倒れた安倍元首相が、なぜ韓国の新興宗教団体と関係を持っていたのか。さらに、安倍首相だけでなく、少なからぬ自民党の議員が何らかの関わりを維持してきた。それは、あまりにも不可解に見えるに違いない。

 今回の事件以前から、日本社会における統一教会のイメージは、決して良いものではない。

 信者たちに巨額の献金をほとんど強要に近い形で納めさせているという話は、誰でも一度は聞いたことがあるのではないだろうか。あるいは、1980年代であれば「集団結婚式」と銘打って、信者たちに、その会場で初めて会ったまったく素性を知らない相手と人生の契りを結ばせてきた。当時、トップアイドルだった桜田淳子がこの集団結婚式に参加したことも語り継がれている。

 なお「統一教会」とはかつての名称で、2013年以降「世界平和統一家庭連合」と改名したが、ここでは「統一教会」と表記する。