勉強に追われる韓国の若者(写真:ロイター/アフロ)

(立花 志音:在韓ライター)

 どの国でも若者の自殺は絶え間ない。韓国でも昨今、若者自殺者問題は多くの若者に大きな影響を与えている。

 韓国統計庁が2021年9月に発表した統計によると、2020年の韓国の自殺による死亡者数は1万3195人で前年比4.4%減少した。1日平均では36.1人、自殺死亡率(人口10万人当たりの自殺者数)は25.7人で、前年比4.4%減となった。

 だが、経済協力開発機構(OECD)加盟国の年齢調整自殺死亡率(国家間の年齢構成の違いを除去した死亡率)は韓国が23.5人と、OECD加盟国で最も高かった。加盟38カ国の平均(10.9人)の2倍以上だ。

 年齢層別に見ると、自殺は10代、20代、30代の死因の圧倒的1位で、40代、50代では2位、60代では4位となっている。男女別では、男性の死因が5位だった一方、女性では8位だった。

 そんな韓国に住み高校1年生になった筆者の息子が、この夏休み中に聞いてきた話と、その背景にある高校生活のリアルをお伝えしたい。

突然の息子からの話

「この間、スンミンの親友が自殺したんだって」

 夏休みに入ってすぐの出来事だった。ソウルに引っ越した幼馴染の家に泊まりに行って帰ってきた息子が、部屋に入る前に服を脱ぎながらボソッと口にした。韓国も、今年の夏はいつになく暑かった。

「スンミンだけに遺書を残して死んじゃったんだって。みんなで遊んでたんだけど、あいつ一人、どっか悲しそうで、こっちがたまらなかったよ」

 スンミンは5年前にソウルに引っ越した息子の幼馴染だ。当時からの仲良し5人組は現在も続いていて、夏休みのたびに片道2時間半、高速バスに乗って4人でスンミンの家に泊まりに行くのだ。

 息子の話によると、その友達は高校生活と人間関係が苦しくて、自殺してしまったというのだ。唯一の遺書は、親にではなく親友のスンミン宛てだった。