Mさんが始めた「セラピストの送迎」って何?

「ドローンで仕事をやろうとしたら、設備投資に最低でも100万円くらいかかる。東京都に助成金の申請もしていているけど、申請が通るかどうかも分からないし、まずは初期費用として150万円は貯めたいと思っている」

 レンタカー店の副業は時給1100円で、19時頃から4時間ほど働く。ここでは縦列駐車が得意な、運転慣れしている人が求められる。Mさんは普段、車で通勤しているため即採用になった。

 仕事内容は戻って来た車の掃除と点検、車庫への移動だ。担当するのは男性のアルバイト。若い人もいるが、半分は40~50代の中高年男性だ。ただ、きつい仕事のため、入れ替わりが激しく、同じ人に会うことはほとんどない。

「戻って来た車を、一人10台以上掃除する。車内の床を拭いたり、掃除機をかけたり、かがんでやる作業が多いから、腰に負担がきて大変。車体を拭く作業まですると、汗だくになるよ」

 レンタカー整備が肉体的に厳しいと感じたMさんは、「クラブホステスの送迎」と「セラピストの送迎」の副業も始めた。

Mさんはホステスやセラピストの送迎もしている(写真:kawamura_lucy/イメージマート)※写真はイメージ

 ホステスの送迎はクラブ閉店後、自家用車で2~3人のホステスを自宅まで送り届ける仕事で1回4000円。セラピストの送迎は、マッサージを行う女性をお客さんの自宅まで送る仕事で、1時間1000円で1日5時間ほど稼働する。

「ホステスの送迎はライバル同士が同乗しているから、車内の雰囲気がもうバチバチ。セラピストは一人しか乗せないし、感じのいい人が多いから気楽だよ。セラピストって何かって?採用時の説明では頑なに『風俗ではない!』って言っていたけど、乗せているのは全員女性だからね(笑)」

 夢見るMさんは、今夜も夜の副業に精を出す。