同園のリニューアルは、現・園長の坂東元氏が中心となって進めてきた。坂東氏はもともと獣医で、生物が「観客のいな場所」で見せる魅力的な姿をよく知っていた。そうした生物本来の行動や能力を見学者に伝える展示手法は、「行動展示」と呼ばれ、近年の動物園や水族館に大きな影響を与えている。

サンシャイン水族館
ビル屋上の厳しい条件下でもこんな見せ方が!

■サンシャイン水族館
東京都豊島区東池袋3-1 サンシャインシティ
1978年開館、2011年大規模改修
設計:三菱地所(当初)、三菱地所設計・大成建設(改修)
交通:各線・池袋駅から徒歩約10分、東京メトロ有楽町線・東池袋駅から徒歩約5分
https://sunshinecity.jp/aquarium/

 ビルの屋上を活用した日本初の本格的水族館だ。開館から40年以上たつが、古くささは全く感じない。というのも、2010年秋から約1年休業して施設を全面改修したからだ。

 このときの改修では、積載荷重ぎりぎりの大水槽、「サンシャインラグーン」(水量240トン)を建物内に新設。視覚効果を利用して実際の奥行きや高さよりも広がりが感じられるように工夫した。

 この屋内水槽もなかなかすごいのだが、「アイデアの勝利」ということでいえば、やはり屋外エリアだろう。2011年の改修では、屋外エリアにアシカが宙を泳ぐドーナツ型水槽「サンシャインアクアリング」を新設し、これが大きな話題となった。