旭川市旭山動物園は“日本最北の動物園”として1967年にオープンした。90年代半ばには閉園もうわさされたが、前例のない様々な展示手法を導入し、V字回復した。注目を浴びるきっかけになったのは、2000年に完成した「ぺんぎん館」だ。
それまでも魚の水槽での水中トンネルは珍しくなかったが、旭山ではこれを鳥類であるペンギンの水槽に取り入れた。青空を背に羽を広げて舞う姿は「空飛ぶペンギン」と話題となり、後に映画にもなった。
今や、アザラシを展示する際の“定番” ともなった円柱水槽も旭山が発祥だ。類似例が増えているものの、ここの「マリンウェイ」は、不思議なくらいアザラシがよく通る。
2013年に完成した「かば館」も旭山らしい。カバを水中から見るという単純なものだが、水中のカバは全くじっとしていない。サーカスのように華麗に水中を舞う。水族館の水槽のように水が透明でないのも、かえって迫力がある。