米国デラウェア州のビーチを散歩するバイデン大統領(資料写真、2022年6月20日、写真:AP/アフロ)

(古森 義久:産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授)

 バイデン米大統領の台湾防衛「失言」について前回の当コラム(「1日で『台湾防衛』発言撤回、バイデン氏の大統領『適性』につきまとう不安」)で詳しく報告したが、その後さらに同大統領は、基本的な執務能力が疑われるような失言と事故を起こした。

 バイデン大統領は、米国の国家元首、米軍の最高司令官としての任務遂行能力への不審を招く言動を繰り返しており、その結果、バイデン支持の識者たちの間でも同大統領の再選への試みに深刻な懸念が表明されるようになった。

経済認識に大きな誤り

 第1の出来事は6月16日、ホワイトハウス内でAP通信記者のインタビューに応じた際の失言である。

 バイデン大統領は側近からの助言により、記者側からの自由な質問には基本的には応じないという非公式方針を保ってきた。バイデン政権の高官たちが同大統領の失言や放言を恐れて、公式発言は事前に準備した草稿や台本に沿うこと求めたのだ。