(羽田 真代:在韓ビジネスライター)
韓国での新大統領誕生と同時に、日韓関係の修復に向けた動きが始まっている。その第一弾として、日韓の旅行者の往来が緩和された。
6月1日、在日韓国大使館が旅行者向けにビザを発行すると発表。当日は韓国旅行を希望する日本人が朝の6時から並び、後ろの方に並んでいた人はビザ申請もできないほどだった。韓国旅行を切望する日本人は多かったようだ。
韓国でも、ソウルの日本大使館領事部には日に200~300人、多い時は500~600の申請があるという。
このように、観光分野で改善が進みつつある日韓関係だが、文在寅政権による反日、不買運動によって大打撃を受けた航空会社、特に大韓航空との合併を前提に運行されているアシアナ航空は今後、どうなっていくのであろうか。
韓国の証券番組に「汝矣島(ヨイド)証券王」という番組がある。6月3日に放送された同番組の「汝矣島注目王」に出演したアドバイザー、キム・ドンウ氏の解説が面白かったので、今回は彼の紹介した注目株アシアナ航空について紹介しようと思う。
彼が注目株として紹介したアシアナ航空は、2022年2月に韓国公正取引委員会によって、大韓航空との合併(大韓航空による買収)が条件付きで承認された韓国大手の航空会社だ。
注目株として紹介した理由は以下の通り。
「新型コロナウイルスによる規制が緩和したことで、多くの人が海外旅行をするようになった。自身も7、8月の欧州行きの航空券を予約しようとしたが既に空席がなかった」
「今は株価が下がった状態だが、空の便の需要が高まるにつれて株価は上がるしかない」
「目標価格は23000ウォン(約2300円/前日終値は約1880円)だ」
「飛行機は飛ぶのだから、株価も飛んで行く」
彼はおちゃらけたキャラクターだから、解説も笑いを誘う内容だ。
2022年に限って言うと、アシアナ航空は3月31日に最高値で約2350円を記録した。だから、キム・ドンウ氏が言う目標価格は十分に達成できる可能性がある。ただ、問題は好調だった2015年2月27日の約4763円や、2019年4月30日の約4510円を超えられるかだ。まあ、この時の水準まで株価が回復すれば、大韓航空と合併する必要もないだろうが……。