サイバー戦などの現代戦において専守防衛は何の役にも立たない

 自民党は4月26日「新たな国家安全保障戦略等の策定に向けた提言」を政府に提出した。

「反撃力」「GDP比目標2%以上」「先端技術」「ハイブリッド戦」「サイバー戦」など、これからの防衛力整備に必要な事項が網羅されている。

 ただ、「専守防衛」を前提にしていることにより、せっかくの提言が画竜天睛を欠いたものになっている。

 結論から言おう。サイバー戦は専守防衛では戦えない。

 近年、脚光を浴びているグレーゾーン事態や宇宙、サイバー、電磁波といった新領域での戦いは、現代戦そのものである。

 一番の特徴は、平時なのか有事なのか、犯罪なのか侵略なのか、警察行動なのか軍事行動なのか極めて不明瞭な中での対応を迫られることである。

 平時か有事か不明瞭なグレーゾーン事態は、自衛隊の最も深刻な弱点である。

 特にサイバー戦はその傾向が強い。サイバー空間には国境もなければ、平時、有事もなく、時間の概念さえない。

 筆者は数年前、米空軍のサイバーの司令塔である第25空軍司令部を訪問した(現在は、第24空軍と合併し第16空軍が司令塔)。

 その際、特別に作戦室立ち入りが許された。サイバー戦の実態を垣間見て驚愕したのを覚えている。