一方、今回設置された偽情報統治委員会は、外国からの偽情報対策を専門にするという点で初めての政府公的機関とされた。
その背景には近年の米国では中国やロシアという敵性国家の政府機関から発信される偽情報が増加し、その真偽の区別も難しくなり、米国の官民に被害を生む傾向が強くなってきたことが指摘される。
ところがこのバイデン政権の新機関創設に対して、共和党側から「民主党側の政治活動を有利にする言論の統制、抑圧機関だ」とする激しい反対が起きた。
さらに、この新組織の運営責任者に任命された人物が、かつて民主、共和両党の対立のなかで、偽情報を事実だと断定していた記録があるため、共和党側の非難はさらに燃え上がった。
偽情報を事実と断定していたジャンコウィッツ氏
国土安全保障省内部に新設された偽情報統治委員会の事務局長には、半官半民の研究機関ウィルソン・センターの研究員でネット上の偽情報分析の専門家とされるニナ・ジャンコウィッツ氏が任命された。