戦闘機が戦場における主流の時代が終わろうとしている(写真はアラスカ上空を飛ぶ米空軍のF-35A、4月14日撮影、米空軍のサイトより)

 ロシア軍のウクライナ侵攻当初は、ロシア空軍戦闘機等(戦闘機・攻撃機)による爆撃や対地攻撃の映像がテレビに流れていた。

 ウクライナ空軍戦闘機も応戦していた。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領も米国大統領に戦闘機の供与を依頼していたが、現在までに戦闘機の供与はない。

 その代わり、米国は、スイッチブレードやフェニックス・ゴーストなどの自爆型無人機を供与した。

 ゼレンスキー大統領は最近では、戦闘機を強く要求していないようだ。

 その理由は、ウクライナ軍が自爆型無人機や無人攻撃を多用し、ロシア軍機甲戦力を破壊できているからであろう。

 一方、ロシア軍戦闘機の活動も低調になり、無人機の活動が活発になっている兆候がある。

 戦史から見て、これまで戦闘機が航空優勢を確保してきた。航空優勢がなければ、地上軍も艦艇も、戦闘機による攻撃に撃破されてしまっていた。

 それが今、航空優勢を獲得していなくても、敵の機甲部隊や兵站部隊を狙って攻撃できているのだ。

 戦場の様相がこれまでと、大きく変化しているようだ。

 ロシア軍の防空システム、戦闘機等、ヘリ、無人機および艦艇の損失の推移を分析し、ウクライナでの国土内および海上での航空戦闘の実態、そしてその実態から今後予想される航空作戦について考察する。